「たんじょうび」の続編にあたります。
最後のサプライズで誕生した赤ちゃんがぴっちなのです。
「たんじょうび」は1948年のスイスの作品で、今回の作品は1953年の作品になります。
日本では1987年に初版が発刊されていますが、訳者が石井 桃子さんに替わっていました。
こねこのぴっちは、5人兄弟の末っ子ですが、みんなと遊ぼうとしないで考えごとばかり。
自分の居場所を求めて、他の動物達のまねをするのですが、どれも上手くいきません。
うさぎ小屋に閉じこめられ、泣き叫んだところで、家のみんなが助けに来てくれるのです。
そこで、はじめてぴっちは、自分の居場所が何所なのかに気づくのですが、こうした経験がないとわからないことって良くあること。
メーテルリンクの「青い鳥」に通ずる奥深い物語だと思います。
絵が一見ラフに見えるのですが、細かいところまで描かれていて、見直す度に、新しい発見があるので、かなり作り込んで描かれたものなのでしょう。
「たんじょうび」とあわせて読んでも、単独で読んでも構わない内容です。