五味太郎さんの著作数は、450冊を超えると言われています。
誰しもお気に入り作品の1つや2つはある 稀代の絵本作家の一人です。
「きんぎょがにげた」「まどからのおくりもの」等で知られていますが、この作品もとても評価が高いもの。
物語は、虫歯になったわにが、歯医者さんに行くシーンから始まります。
歯医者さんは、お客が来たので、診察室に行くのですが、ここでわにとご対面。
お互いが「どきっ」
お互いが「こわいなあ……」
お互いが「でも がんばるぞ」
意味は異なれど、わにと歯医者さんは、同じ言葉を発しているのが、この絵本の凄いところ。
全ての言葉が、対になっているので、良くぞここまで考えたものと関心してしまいます。
最後のオチもしっかりと効いていて、絵の分かり易さと相まって素晴らしい出来栄えの絵本に仕上がっていると思います。
単純に読んでも面白いのですが、言葉の持つ意味がしっかり対比して分かるようになる年長あたりからがオススメです。