昆虫絵本の第一人者、得田之久の2003年にちいさなかがくのともに掲載された作品。
物語は、主人公のとのさまばったのトトが、えのころぐさを食べるシーンから始まります。
えのころぐさ?ネコジャラシではないの?と思ったら、ネコジャラシとは俗称。
花穂が、犬の尾に似ていることから、犬っころ草が転じてエノコログサという呼称になったとされ、漢字でも「狗(犬)の尾の草」と表記するとのこと。
そこに、かまきりが現れたので、トトは飛んで逃げ出します。
最初に出会ったのは、蝶。
「チルリ チルリ」が、花の蜜を飲む音という描写に、想像力をかきたてられました。
次々に登場する虫たちの食する音が、実に印象的。
この発想って子供に読み聞かせするのに、とても良いのではないでしょうか?
最後は、えのころぐさに辿り着くのですが、物語としては平凡なものです。
それだけに安心して読み聞かせ出来る作品だと思います。