「どうぶつに ふくを きせてはいけません」「くもり ときどき ミートボール」のジョディ・バレット/文、ロン・バレット夫妻の作品。
名前から分かる通り、奥さんが文、絵をご主人が担当しています。
この作品は、1969年の発刊で邦訳が2009年。
驚愕すべきは、40年も前にこうした発想の作品を世に送り出していること。
「どうぶつに ふくを きせてはいけません」で、「余程寒い日に犬がコートを着る以外は、断固として、動物に服を着せてはいけないと思っている」とあり、およそ40年も前に、こんなことを考えていることに驚きましたが、今回もアパートで野菜を栽培するという発想に驚きです。
実際に、今、商社などがビルでの水耕栽培を推進している光景を目にしますが、40年前の絵本の題材になっているのですから、驚愕としか言いようがありません。
主人公のマクドナルドさんは、4階建てのアパートメントの管理人。
奥さんが大事にしていたトマトが枯れてしまったので、その原因であった窓の外の生垣を取り払います。
生垣の跡地がガランとしたので、マクドナルドさんは、野菜を植えたのですが、ここからマクドナルドさんの暴走が始まります。
住人達が引っ越すと、そこに、野菜を植えてしまうのです。
階下の天井に根菜の根っ子が突き出たとか、サツマイモのツルが蛇口から出たとか、ありえないエピソードが満載で、大笑い。
しまいには、全住人が引っ越してしまうのですが、そこに、大家のレンタルさんが来て、マクドナルドさんは解雇されてしまうのです。
部屋番号に、1A 管理人、1B めうし 1C トマト 1D ニンジントマメ・・・とあって、レンタルさんが逆上するのも分かりますよね。
その後のオチが最高で、最後のページは、見るだけで愉快な気持ちにさせてくれるでしょう。
絵は、基本的にモノクロで、野菜だけがカラーというのも、お洒落。
古さを全く感じさせない古典的名作としてオススメします。