心にしみる哀しい話です。
体の弱い子供と母親を置いて南に飛んで行ったお父さん。
子どもを守るために、山犬の犠牲になったお母さん。
悲しいけれども、自然の摂理かもしれません。
月の模様の中に白鳥が飛んでいると言ったお母さん。
お母さんが死んだあと、白鳥の住んでいた舟は湖に流され沈んでいきます。
月から飛び出た、お父さんお母さんが子供を迎えに来て…。
子どもには、姿を消した白鳥の子は飛んで行ったのだと思わせたいですが…。
この絵本、表には出ませんが「こうしのぼうけん」とカップリング。
書き直された「こうしのぼうけん」と読み比べると、絵本の話を考える上で非常に参考になると思います。
「つきとはくちょうのこ」も改訂版が出ているので、比べてみるのも参考になるかもしれません。
(事務局注:このレビューは1999年版に寄せられたものです。)