1956年生まれのデイヴィッド・ウィーズナーの1989年のコールデコット賞オナー賞受賞作品。
彼は、他に2002年「3びきのぶたたち」2007年「漂流物」でコールデコット賞を、1992年「かようびのよる」2000年「セクター7」でコールデコット賞オナー賞を受賞しています。
この絵本には、文字がありません。
他のデイヴィッド・ウィーズナーの文字のない作品は、絵が物語ることが実感でき、絵本本来の魅力を存分に味わうことが出来きたのですが、一寸展開が難解な感がありました。
作/セーラ・L・トムソン、絵/ロブ・ゴンサルヴェスの「どこでもない場所」「真昼の夢」「終わらない夜」のコンセプトと似通った作品です。
お話は、主人公の僕が、本を読んでいる途中で寝入ってしまったシーンから始まります。
パッチワークの掛布団が、山の斜面の模様になり、それがチェス板になって、チェスの駒が人となり動き出します。
そこに僕は、パジャマのまま登場し、冒険の始まりです。
宮殿の壁面が竜に変化したり、階段が本になったり、山がクロワッサンになったりとその発想は、デイヴィッド・ウィーズナーならではのもの。
最後のページに、夢に登場したものがあちこちに置かれていて、思わず何度も読み返してしまいました。
話の展開が急のため一寸難解なので、面白さに到達するのに時間がかかるかも知れません。
ページ数がもっとあれば、話の繋がりが容易に出来るので、その点が残念ですが、デイヴィッド・ウィーズナーワールドが堪能出来る作品です。