クリスマスの季節になると、
子供が小さかった頃の習慣で、
毎年、クリスマスの絵本を買ってしまうのです。
この絵本「ポインセチアはまほうの花」も、
そうしたクリスマス絵本のひとつでした。
私が子供の頃にはなかった「ポインセチア」が、
いつの頃からか、
お花屋さんの店先に飾られるようになつたのは……。
そうした、クリスマスとポインセチアのつながりが、
この絵本で語られているのです。
メキシコのある少女、
フアニータは、
お父さんが失業してしまったために、
クリスマスの礼拝に、
神様にささげるろうそくさえも買えず、
教会に入っていくのをためらってました。
その時、
教会の前の天使の像が、
ささやいたのです。
天使は、
天使のそばの緑の葉を持っていきなさいと、
いうのです。
神様は、フアニータの気持ちをわかってくださるでしょう……。
天使の言いつけにしたがって、
フアニータは、
緑の葉を抱えて、
教会の中に入っていきました。
すると、驚いたことに、
緑の葉は、
星の形をした真っ赤な花にかわっていったのです。
フアニータのやさしさと真心が、
奇跡を生んだのです。
これは、
端正な絵柄とエピソード、
メキシコのクリスマスのお話でした。
いまや、
日本中で、
木枯らしの吹く寒空に、
クリスマスの音楽が流れだす頃、
ぬくもりのある、
ポインセチアの赤い葉が、
店先に立ち並ぶのです。
神様から、
どんなプレゼントをいただくのかではなく、
神様に、
何をさしあげられるのかという心が、
ポインセチアの赤い葉には、
隠されていたのです。