最近日本テレビ系の「世界一受けたい授業」という番組で紹介され、再び脚光を浴びている中山千夏さん文、和田誠さん絵の絵本。
最初に刊行されたのが2005年7月、その年の第11回日本絵本賞を受賞しています。
障害をテーマにしていて、とても考えさせられる絵本の名著です。
なにごとにも好奇心旺盛の男の子、ひろくん。
ともだちに目の不自由なまりちゃんがいる。
だから、見えないというのはどんな感じなのか、考えてみた。
そして、目をとじる。
そうしたら、たくさんの音でいっぱいだった。
さのくんというともだちは耳が不自由。
だから、耳せんできこえなくした。
そうしたら、今まで見えていなかったたくさんのものが見えてきた。
ひろくんは好奇心旺盛だから、いろんなことに興味があって、それでわかることも出てくる。
きみちゃんは神戸の震災で(あれは1995年でした)お父さんもお母さんも亡くしてしまった。
ひろくんはそんなきみちゃんの気持ちを「どんなかんじかな」と考えてみた。
でも、わからなかったのできみちゃんに聞いてみる。
「すごくさびしいんだろうね」って。
でも、きみちゃんはそうでもないという。
私たちのまわりにはそれぞれ事情を抱えた人たちがたくさんいる。
その人たちのことを「どんなかんじかな」と考えるだけで、少しだけ世界が違ってみえるのかもしれない。
もし、いじめられているともだちがいたら、「どんなかんじかな」と考えるだけで、違う行動がとれるかもしれない。
この絵本のすごいところは、最後。
きみちゃんがひろくんのところできて、「いちにちじっとうごかない」て、「どんなかんじかな」と思ったという。
どうしてだと思います?
最後のページに描かれたひろくんを見て、胸が熱くなります。