フレッド・マルチェリーノは、シャルル・ペローの「ブーツをはいたネコ」の挿絵でコールデコット賞受賞しています。
自作の絵本は本書が最初の作品。
舞台はエジブトで、ナポレオンが侵攻している時代です。
主人公のワニのワーニーは、幸せに暮らしていたのですが、そのナポレオンにみやげとしてパリに連れ去られてしまうのです。
お城の庭が棲家になって、最初は人気者になるのですが、直ぐに飽きられて食肉にされそうになってしまします。
逃げ出した先は、パリの下水道。
あの有名な下水道ですから、逃げ込むには最適な場所に違いありません。
ここまでは、ストーリーとしては普通なのですが、このワーニーの絵が実にユニークで楽しめました。
というのも、エンディングがどうしても納得できないのです。
最後のシーンさえなければ、五つ星候補でした。
それにしても、どうしてこうした結末にしたのか?
絵本としてはありえないものです。
絵自体がとても好ましいものだっただけに、非常に残念です。