原題も、メアリー・スミスで、人名です。
実在の人物で、写真も掲載されています。(1927年)
その仕事はというと、ノッカーアップ(knocker up)、邦訳すると目覚まし屋。
朝早く起きて、人を起こしに行くのが仕事。
イギリスでは、目覚まし時計が普及していない時代に、こんな仕事があったなんて、驚きです。
細長いチューブに乾い、豆をつめて、窓めがけて一吹きして、窓ガラスに当てて、その音で起こすというもの。
至極単純なのですが、窓ガラスに正確に当てないとならないので、かなりのスキルがいると思うのですが、メアリー・スミスは難なくこなして行きます。
ひと仕事終えて帰宅した時、自分の娘がまだ眠っているところに出くわし、目覚まし屋の娘が遅刻なんてと慌てるのですが、そこには笑えるオチがあって、素敵なストーリーだと思いました。
それに人物の特徴を上手くとらえて、少しばかりデフォルトが効いた絵は、愛嬌があって、親しみ易いもの。
わが国では、こんな仕事があるなんて聞いたことがありません。
元々、早起きな民族だったのでしょうかね?
お国柄の違いも感じられて、充分に楽しめる絵本としてオススメします。