アイヌ社会にとって、熊は神様です。
その神様が語る物語。
アイヌの人たちが熊を神として崇めながら、捕獲して自らの血肉としながら神の国に送るという風習を語っています。
一種独特の社会ですが、自分を食しながら語られるユーカラの魅力、話が終わらぬうちに夜が明けるので、続きを聞くためにまた来てくださいというもてなし。
熊の神様はユーカラの続きが気になってまた宴に訪れるのです。
また、カパラペポンスという鍋の神様は、アイヌの人々がものを大切にすることから生まれた神だと語られます。
「道具を大切にしなさい。そうすれば道具の神様が恩返ししてくれます。」
様々な土産をもらって神の国に帰る熊は語ります。
アイヌの昔話だとのことですが、自分たちが食べている生き物への感謝、道具を大切にすること、学ぶことは多いと思います。
石倉欣二さんの絵は、線で描いた絵と色彩のつけ方が一種独特で、実験的な世界となっています。