アフリカ・マリの昔話です。ジョレという村に一人の玉のような男の子が生まれたが、両親が次々に死んだのは、生まれてきた子どものせいだと言って遠い森に男の子を捨てに行った。男の子は、森の中で動物や自然に育てられて、木や虫やいしの話言葉も、夜空の星の音楽もちゃんとわかる強い子供に育ちました。けれどもある日自分と動物たちは、違うことに気がついてジョレの村に生まれ森に捨てられたこともすっかりわかってしまった。雨の季節になるとバオバブの木に登って”ジョレに雨降るな”と祈るようになって、ジョレの村には、日照りが続き村の人たちは食べ物がなにひととれなくなりました。猟師が男の子を見つけてそのことを知り、人々は反省して、男の子は、シチジ王の後継者になって深い知恵で国を治めたというお話でした。勿論村では、決して子どもをすてることは、なかったそうです。