アンデルセンのおやゆび姫、みにくいアヒルの子、人魚姫、裸の王様、小さいイーダちゃんの花、雪の女王など、10の物語にそったなぞなぞの文章と絵が描かれています。
文章から答えを考えたり、絵の中に答えをみつけたりしながら読み進めていきます。
(残念ながら)★を2つ「あまりおすすめしない」にしたのは、絵本の楽しさやなぞときのわくわく感が感じられなかったことと、子どもがこの絵本を読むタイミングが難しいと思ったことから。
【アンデルセンの10話を未読の時点でこの絵本を読むと?】
→「ネタバレ」していいの?! と疑問がわいてきました。
特に、おやゆび姫が王子さまに出会う、みにくいアヒルの子が実は白鳥だったときづく… これはルール違反では。
将来元の物語を読むときに、アンデルセンの深い深い物語の森に分け入ることができなくなってしまいます。
せめて物語の冒頭部分だけをなぞなぞにしてくれればよかった。
10話未読の子どもに見せてはいけない。図書館の「子どものコーナー」に置いてはいけない。そんな絵本だと思いました。
【10話すべて読んでからこの絵本を読むと?】
→なぞなぞ(クイズ)が簡単すぎる。かと思えば、物語を読まなければ正解が得られない問題もある。記憶力の試験をされているみたい。
絵は素敵です。
「アンデルセン大好き!」という子どもや大人や親子が、絵本を手にとって、ページを手繰って、物語の思い出の旅に出て、アンデルセンワールドにひたったり会話したり癒されたり、というような利用のしかたがふさわしいかもしれません。
ちなみに、著者石津ちひろさんの『なぞなぞのみせ』は好きな絵本です。
「なぞなぞ」というより幼児向けクイズといった風情の問題が多いですが。
糸井重里訳『ミッケ!』のようにわくわくしながらページをめくって楽しんでいます。