正直言って、もし書店に並べられているのを見ただけだったら、私は間違いなくこの絵本を購入する事はなかったと思います。絵がレトロで文章も長い…。
しかし、先日ある研修会に参加して紹介し解説していただいた事で即購入しました。1995年の初版本です。価格は1494円(本体1450円)となっています。つまり消費税3%時代の価格です。講師の方のお話しだと、全く売れず、残っているものが売れても再販はないだろう、とのことでした。となると、幻の絵本になるかもしれません。
かのカフカも登場し、実話に基づいた絵本だそうです。カフカの言葉も実践も何てステキなんだろう!と感動しました。女の子とお人形はいつの世も切っても切れない関係にありますが、一つのお人形に名前もつけて、大切に、時には自分の分身として扱うことを、特に今の子どもたちには経験してほしいと思います。少なくとも山ほどの人形やぬいぐるみに埃のベールをかける事だけは避けたいものです。
見返しのページも美しく、たくさんの示唆を読み手に与えてくれる絵本だと思いました。