「ひとつのねがい」は地味な「がい灯」のおはなしです。地味すぎて素通りされてしまいそうな…。「がい灯」は自分の生き方を決めています。かなうとかなわないとにかかわらず「これが自分の生き方だ。自分の仕事だ。」
自分探しに迷う人たちに、生きるとは覚悟を決めること。幸せの輝きとはこういうこと。身を持ってみせてくれているようです。
童話は未来の世界を創る子どもたちに心のバトンを渡します。
ひろすけ童話は心の中の星のような輝きをテーマに書き綴られていると私は思っています。異形のものというだけで差別したり怖がったり受け入れないなど不毛なこと、子ども達には未来の日本(世界?)を大きな心で築いて欲しいと願いがこめられているようにおもうのです。
その美しい小さなおはなしを、しまだしほさんの美しい絵が何倍にも魅力的にしてくれています。まず 表紙のひとつのねがい のタイトル。優しいベージュの地に浮かぶ柔らかな蜜柑色の灯りに飛ぶ白い光の線が描く文字 こがね虫の薄い羽根 白い蛾の羽のなめらかなライン。心の綺麗なお父さんと天をも見通す眼差しの子ども。ガス灯の心の輝き。
自分の心の奥から、〜ありがとう〜 の気持ちが温かく湧いてきました。