2008年刊行。
「はいずみ」 古典:堤中納言物語より 漫画:坂口靖子
「隔離された家」 「アンの友達」より ルーシー・モード・モンゴメリ
「愁雨歳月」 「燕京伶人抄」より 漫画:皇なつき
「バタフライの蝶太」 「寄席芸人伝」より 漫画:古谷三敏
どの話も一度ダメになりそうになってから、愛情が復活するハッピーエンドの話。恋愛物語の醍醐味を味わえる。
漫画はそれぞれ個性がはっきりしている。とぼけた雰囲気で人生の大変さも全部表してしまう坂口氏。
1920年代の中国・京劇の世界を流麗に描く皇氏。
昭和のあったかい人情と厳しい世間をまろやかに描く古谷氏。
どれも捨てがたい。それぞれの作者のほかの作品もぜひ読みたい。
赤毛のアンで有名な作家、モンゴメリの作品は、アンは出てこないが、アンに似た頑固で自分の意見を曲げない人が出てくる。
頑固な人を描くのが好きなのか、作者自身がそうなのか、アンのシリーズは一筋縄ではいかない個性的な変人が目立つ。意見のぶつかり合い、小競り合いを経て、どうにか仲良くなっていく様子を見て、自分の実生活も頑張ろうと思った。
うまくいかなくても、どうにか頑張って、明るく生きようと思える読後感。ハッピーエンドの話は、やはりいいな。