【内容】
あ〜んまで、言葉あそび。4行の詩と、お洒落なイラストを通して、五十音の楽しさ、日本語の面白さが楽しめる。
主人公は王様。どこの王様だかわからないが、とにかく王様。
【感想】
ロングセラーの絵本を読んでみたくて手に取りました。
この本は、とにかく、開いたらその良さがわかります。説明が要らない、素敵な言葉遊びの絵本。1979年発行とは思えない、古さや時代を全く感じさせない、普遍的なユーモアとデザイン。いつの時代も、どの年代の人も楽しめる愉快な絵本です。
たった4行だけの詩のような文章の中に、五十音がパズルのように使われている。短い中に様々な工夫とユーモアが詰め込まれていて、びっくり箱みたいです。
開けるまで、次に何が起きるのかわからないワクワクする気分が味わえて、あっというまに読み終わってしまいました。
絵にも工夫があって…これは、是非とも実物をじっくり見て欲しい。
子どもたちも楽しいけど、大人も頭の体操のような楽しみ方もできる。そして、余白の部分や、文章に書かれていない部分をいろいろ想像して楽しめます。
王様の行為につっこみを入れてみたり、人柄を想像したり、この愉快なキャラクターを活用して自分で続きのお話を考えてみたり…楽しみ方もいろいろ。読者が参加して楽しむ余地のある、懐の広い絵本なのです。
それにしても、王様が出てくる絵本は、どういうわけかユーモラスで、少々バカっぽくて、奇想天外なお話が多い。王様って、その格好からして、かなりコントっぽいからでしょうか。ギャグの主人公として私は認識しているので、たまにシリアスな歴史の中の王様を見ても、どうしてもコメディアンンに見えてしまいます。