ロザリーが自分に課した秘密指令が何だったのかを知って、しかも、それが報われることがなかったことに、衝撃を受けました。
戦時下にある学校の話です。
父親は戦地に、母親は軍事工場へ、そして娘のロザリーは、年上の子たちと一緒に学校で秘密指令のために授業を受けています。
ロザリーはお父さんから母親にあてた手紙を読みたかったのです。
手紙が読めるようになりたかったのです。
母親が語る父からの手紙は、極めて楽観的な内容でした。
でも、ロザリーが目にすることはできません。
本当にのんきな戦場なのだろうか、片腕を喪って戻ってきた校長先生を見ても、そうは思えません。
一枚の手紙が届いて、父親からの手紙は途絶えました。
真実を知りたくて、ロザリーは噓をついて学校を抜け出します。
そして、隠されてあった手紙を見て真実を知るのでした。
しかも、最後の手紙は父の死亡通知でした。
ロザリーの秘密指令が、悲しみを深くしてしまったのです。
最後に届いた勲章が印象的です。
そんなことが今も世界で起こっていることに、心が痛みます。
なんで、こんなことが続くのでしょう。
子どもたちの未来のために、大人たちはあってはならない背面教師を続けています。
絵本ではないけれど、時折見開きいっぱいに描かれた絵が、限りなく訴えています。