聴力を失った女性が、身体で音を聴く力を研ぎ澄まして、打楽器奏者になる、世界的な演奏家になりエリザベス女王から勲章を授かるまでになるという、胸に響きわたる感動のサクセスストーリーです。
不可能を可能に変え、今までに誰も考えなかった様々な壁を乗り越えた先駆者として、障がい者を含めた多くの人に希望を与える物語だと思います。
ただ、その裏には並々ならぬ苦労と努力があったことを見過ごしてはいけません。
そんな彼女から「誰にでも可能性がある。自分の心の声を感じることができたら、どこかに道は見つかる。」などと言われたら、希望に向かっていく勇気を持つことができるのではないでしょうか。
しかもこれは実話なのです。
文章を書いたシャノン・ストッカー自身も反射性交感神経性ジストロフィーという障がいを持っているということです。
その彼女が、重度の聴覚障害であるエヴェリン・グレニーと交流を持ち、共鳴し合った作品であることにも、この絵本の重厚さを感じました。