近所の小学校のボランティアで、6年生に読み聞かせをしました。
俳優の高倉健さんが、映画の撮影などで世界のあちこちに行ったときに感じたことなどをまとめた短編のエッセイ集です。
飾り気のない淡々とした調子の文で、率直な気持ちが語られます。
個人的には、高倉健さんらしい感じがして、とても好きです。
唐仁原教久(とうじんばら のりひさ)さんの絵も、文章と呼応するようにしみじみと語りかけてくる感じがします。
最初、6年生で、どのくらいの子が高倉健さんを知っているかな?とも思いましたが、読んでみると、筆者が誰かということは関係ないと思うくらい、すごく集中して聞いてくれました。
読んだのは、「北極のインド人」と「奄美の画家と少女」の二篇。
最初は少し聞こえていた物音やささやきが、途中からまったく聞こえなくなり、水を打ったように静かになり、ほとんどの子がこちらをじっと見て聞いてくれました。
言葉は難しくないけれど、内容はちょっと奥深いところが、緊張感をもって聞いてもらえた理由ではないかと思います。