モノクロの絵のみで表現された絵本です。ぞうのおなかにボタンがついていることもびっくりだけど、なんとまぁそこから馬が出てくるではありませんか。馬からはライオン、ライオンからはあしかと、いろいろな動物が次から次へと登場します。
一見、おなかを裂いて出てくるような気がして、グロテスクだわと思ったのもつかの間、どんどん動物のしわしわになった抜け殻を見ているうちに、そんなことも忘れてしまいました。
しわしわになった抜け殻の動物たちの表情もいいけど、おなかから出てくる次の動物たちの表情が生き生きとして、またいい。
でも、出てきた後の動物たちの表情はなんとなく、うかない感じ。おなかの中で、次の動物たちが、「早く出たいよぉ」と叫んでいるのかな?
最後まで読み進んでいくと、なんとあの「ねずみくんシリーズ」のねずみくんがいるではありませんか。ねずみくんは、なんとおなかから自分の体の何倍もあるぞうを出してしまいます。これには、びっくり。次元を超えたこのオチに子どもならずとも大人も微笑んでしまうでしょう。
この絵本には文字が一切ありません。だけど絵だけですべてを表現してしまうんだから、素敵ですね。