話題になった時に、これはないわ、と思った本。
書店で平積みになっていたので、3、4歳位の子が手に取り、それを見たおばあちゃんとおぼしき人が、中身も確認せずに「買うの?」と聞いているのを見て…小4の娘と心配になって、しばらく観察してしまいました(娘はたまたまこの本がテレビで取り上げられていたのを目にして、小さい子の読む本ではないと思っていました)…結局、買われませんでしたが。
改めて読んでみました。
この本は私の中ではR12指定ですね。
まず登場人物の目が怖い。それだけで小さい子の中には拒絶する子がいるかも。
そして、もちろん話の展開も恐怖です。
R12指定と書きましたが、仮に私が中学生位の時に読んだとしても、かなり苛々する内容だったと思います。
食べ物の好き嫌いは単なる気分とか我儘ではなく、味覚の未発達もしくは過敏さによる問題であることの方が圧倒的に多いと思います。
それをあたかも我儘かのように描き、そういう性質を持ったお調子者的な主人公に仕立て上げている時点で、共感どころか不快感しかなかったと思います。
小学校高学年〜中学生位でしたら、ある程度自分を客観視できる年齢なので、この本を好きか嫌いかで済む問題ですが、主人公と自分を同一視する幼い子どもにとっては、この本は本当に怖い本ではないでしょうか。
大人の方でこの絵本のダークさに惹かれるという方も多いようですので、存分に楽しまれたら良いかと思います。ただ、私は自分の子や読みかたり先で出会う子どもたちの前では決して読みません。