読後、あまりにスッキリしなかった為、そばにいた旦那に「これよんでよ!」と押し付け・・・、更にまた通りかかった長男に「この本どうおもう〜?」と読ませました。
だんなは「カハッ」と一声発し、なんじゃこりゃ的な顔をして去り、長男は「えーー?これで終わりなの〜?え〜?え〜?」と納得できない様子。
「ペットとの別れ」をテーマにしたあまたある絵本の中で、これはちょっと異色ですね。
この「ピーコポンチャン」での別れは「死」ではなく「脱走」です。同じ別れでも、そこに存在するはずの「飼い主とペットの間にある愛情」の質が全然違います。人によっては、「死別」よりも残酷な別れに感じられるかも知れません。
「ペットの死」という悲しみを、大切な思い出を噛みしめながら乗り越える・・という内容ならば、変な言い方ですが、私たち読み手は「安心して読める」んですよね・・。
「うんうん。悲しいけど、いいお話」みたいな感じで。
でも、実際に人間が生きていく中で体験する「別れ」は、たいていが突然で理不尽で不格好なもの。
ピーコを失った少年(作者ですかね)の、表現しようのない悲しみを想像すると、切ないというよりも、ちょっと苦い気持になりますが、それがこの作品の味わい方なのかもしれませんね。
評価は★★★にしましたが、子供に読んであげるのも、決して不向きな作品ではないと思います。
むしろ、子供なりに様々な感想を抱きそうで、おすすめかも。