『ぐりとぐら』級のインパクトを求めるとやや物足りないかもしれませんが,とりかえっこという非現実的な冒険が楽しめます。
我が子たちは,1〜2歳のころ「しっぽ」が何故自分にはないのかをよく聞いていました。身近に見る象さんもうさぎさんもワンちゃんも皆しっぽがあるのに,何故?と思うのでしょうか。この絵本でゆうじがしっぽをつけるシーンを見て,そのことを思い出しました。
ゆうじは自分自身では出せなかった強い力を,ねことらになってからは出せたのでヒーロー気分を味わえたでしょうね。
そして,我が家のお気に入りはくまさんのお家に置かれた『だいじ』と書かれた瓶です。ブドウのような紫色の丸いものが入っているのですが,これなんだろう?と子ども達を言いながら読みました。『だいじ』とひらがなで書かれたところが,こどもの所有欲「ぼくの!」「だいじなの!」という気持ちを如実に表しているようで親近感を覚えました。お二人の作品はいつも温かくてきれいでいいですね。