海外生活で、子供に日本人としての日本語を身につけさせるのには、なかなか大変な努力が要ります。ただ言葉を教えるだけでなく、日本的な思考、しぐさ、文化、トータルで教えていかないと日本人らしい「日本語」にもなりません。
日本の絵本、物語を伝えていくのも、親のつとめだと思っていますが、娘はなかなか「昔話」に興味を示してくれません。挿絵にクセがあったり、物語の背景や環境に親近感が沸かなかったり、言葉が難しくて理解できなかったり。絵本ナビからのメルマガでこのシリーズを知り、「はなさかじいさん」がなかなか良かったので、こちらも試し読みさせていただきました。
結論から言うと、ちょっと期待はずれでした。もともと持っている昔話のダイジェスト集のような絵本に近い感じだったからです。真珠まりこさんの絵はとてもかわいいし、文体も現代の「です、ます」調で小さい子にはとっつきやすいのですが、親の私が「昔ばなし絵本」に求めるものとは違っていました。
ただし、娘は「昔ばなし」というくくりは意識せす、お話自体を楽しめたようです。絵がハッキリしていて可愛らしいのと、
おむすび ころりん すっとんとん
もひとつ たべたい すっとんとん
のとろこを楽しく歌いながら読んであげるととても喜んでくれました。