幼稚園で集団生活を送るようになると,「いじめられる」「嫌われる」「失敗する」という負の経験も知るようになります。
ぐるんぱが汚かったり,臭かったり,すること全部が裏目に出て居場所を失ったりすることの痛みが,読む側に伝わってこその作品だと思います。
その辛くて寂しい気持ちがあるからこそ,後半部分での「幼稚園」の繁盛振りがより明るく楽しく感じられる気がします。誰だって役に立たない&嫌われるよりも,人に喜んでもらえる方がいいですもんね。子どもたちにもその喜びが伝わるといいな,と思います。
親としては,ぐるんぱを通して,その子の不得意とするところよりも得意とするところに目をかけて認めてあげなくてはいけないな,と思わされます。その子自身を伸ばす,生き生きとさせる,ということはこういうことなんだ,とぐるんぱを見ていて痛感しました。