9歳のネートは小さな探偵です。パンケーキが大好物で少し親しみやすい一面を持ちながらも、冷静で頼りになる探偵ぶりがとても魅力的です。そんな彼のもとに、仲良しのアニーから「なくなった絵を探してほしい」との依頼が舞い込みます。ネートはすぐにアニーのところへ駆けつけ、話をじっくり聞き、部屋の中をくまなく調査。そして、周囲の人々にも聞き込みを進めます。次第に明らかになる手がかり、そして最後には意外な展開が待っています。
このお話の魅力は、簡単そうに見えるナゾが意外と難しく、最後までどうなるか分からないスリルです。ネートの落ち着いた推理と的確な行動に、子どもだけでなく大人も引き込まれます。そして、「自分と同じくらいの年齢の子が活躍している!」という点が、小さな読者たちの心を掴むのではないでしょうか。さらに、物語の合間に描かれるシーモントさんの温かみのある挿絵が、読み進める楽しさを倍増させてくれます。
このシリーズは、1982年の発売以来、子どもたちに愛され続けてきた名作です。文字にはすべてふりがながついているので、5歳くらいから小学校低学年の子どもたちにぴったり。読み聞かせにも、自分で読む初めての本としてもおすすめです。実際、我が家では息子がこのシリーズに夢中になり、一人で2冊も一気に読んでしまいました。読書の楽しさを発見した彼の姿は、とても嬉しい瞬間でした。
翻訳者の光吉夏弥さん、作者のマージョリー・W・シャーマットさん、そして挿絵を担当したマーク・シーモントさんの手で作り上げられたこの本は、単なる物語以上の価値があります。巻末には「めいたんていのこころえ」もついていて、子どもたちがネートになりきって身の回りのナゾ解きに挑戦できる工夫も満載。
ネートと一緒に冒険しながら、探偵の面白さ、推理のワクワク感をぜひ体験してみてください!シリーズ全巻を読みたくなること間違いなしです。