雪が降った翌日に、急におかしな棒の様な“りんごのき”を発見し興味を持ったマルチン。彼の目を通した冬・春・夏そして実りの秋の移り行く季節の中でのりんごのきの様子が描かれた本です。
この本は、全頁右側にまるで絵葉書を置いたかのように絵が描かれていて、どのページにもマルチンとりんごのきが出てきます。マルチンの家の塀越しの風景が、ある時は家だったり、ある時は森林だったり、ある時は畑だったりと変わることに何回か読んでいると気付き、これって矛盾している?! こんな統一性がなくていいの?と初めは思っていましたが、ある時、裏表紙を見て謎が解けました!
この本は、3地点からのりんごのきの1年を追っていたのでした!
そんな絵本の命でもある絵に奥深さ(トリック)があります。
また、何よりも小さなマルチンがりんごのきに興味を持ち、そこから愛情が湧いて世話をしたり、心配をしたり、また扱い方を学ぶところが、小さな子供の体験を通しての知識を得るという教育の理想な姿が描かれており、ウチの子もこういう風に育てられればいいなぁと羨望します。
3歳の息子に初めて読んだ時の反応は、ピンときていない感じでしたが、何回も読み込んでいくと、きっと彼のお気に入りの1冊になる!と予感しています。きっと、食べ物で例えればスルメのような本かもしれません! じっくり派におすすめです。