特に大きな事件があるわけではありません。
主人公・まさるくんは大好きなちさみちゃんと結婚したくて、大人になりたがっています。
そのまさるくんの目を通した現実大人であるパパやママの姿は、まさるくんの“理想の大人”と少々ギャップがあります。
目の前のパパの「子どもにもなりたい」というし…。
全然かっこよくないけど、一生懸命なパパも、家のことを一生懸命やっているのに、何とかなく男二人に理解されていないママと、ごく普通の自然な家族像がかえって新鮮に見えました。
なんとなく頼りない子どもっぽいパパですが、最後のシーンのセリフがとっても家族思いで素敵でした。
親になって、一番わかることは「子育てしながら、親も親として育っていくんだ」っていう感覚でした。
このパパも、まさるくんと一緒に素敵なお父さんになっていきそうです。そして、そのお父さんの背中を見て育つまさるくん自身も、きっといつか素敵なお父さんになるんでしょうね。
字が大きく行間も大きめに空いていますし、はっきりした挿絵がたくさん載っているので、5,6歳児からでも楽しく読めそうです。
ただ、どちらかというと男の子目線で描かれている世界なので、共感を覚えて楽しめるのは、男の子の方ではないでしょうか?