1992年のイギリスの作品。
原題は、「The forgotten forest」
物語は、
「むかしむかし、あるところに、もりに すっぽり おおわれた くにが
ありました」
という書き出しで始まります。
それこそ、大昔という設定で、それが、年月の経過とともに都会へと変貌していく様を描いています。
気づけば、森は都会のごく一部分にしか残っておらず、人々はその存在すら忘れているのですが、そこを遊び場としたのが子供達。
四季を通じて、森の中で楽しく遊ぶ子供達の姿が克明に描写されていて、実に微笑ましいシーンです。
その森を宅地にするために大人達がやってきて、物語は大きく展開します。
どんな展開となるのか?興味深々だったのですが、意外にあっさりとしたもので、一寸拍子抜けしてしまいました。
この手の話は、日本の絵本にも多くありますが、描き方はとても難しいもの。
ファンタジーとしてしまうと、現実的ではなくなってしまいます。
この作品も、あまりに非現実的。
そうした意味からすると、バージニア・リーバートンの「ちいさいおうち」は、その着眼点の素晴らしさが際立つと思えました。
森という自然を考える意味においては良いのですが、話の展開に少し難ありという感じがする作品です。