ホットケーキの絵本と言えば、やはり、しろくまちゃんのホットケーキが思い浮かびます。
1972年の作品で、しろくまちゃんがホットケーキを焼く過程を綴ったもの。
フライパンの上でホットケーキが変化していく様に、惹かれたお子様は多かったことでしょう。
さて、この作品は、あのエリック・カールがホットケーキを描いた1970年の作品で邦訳は2009年。
しろくまちゃんのホットケーキとの大きな違いは、材料からの課程が描かれていることに尽きるでしょう。
物語は、ジャックがホットケーキを食べたいとかあさんに言うシーンから始まります。
すると、かあさんは、小麦を刈り取り、水車小屋で挽いて粉にしてくるよう指示するのです。
そう、このお話は、ホットケーキの材料を揃えていくことから始まるのです。
小麦粉1つとっても、その生成にはいくつもの過程があることが、実に分かりやすく描かれています。
正に自給自足を地でいく感じなのですが、食を考えるにうってつけの物語だと思います。
ホットケーキを食して終わるのですが、自分で食材を揃えているのですから、その美味しさもひとしおといったところでしょう。
エリック・カールにしては珍しい人物を主人公にした絵本でしたが、農場が舞台なので多くの動物も登場するので、とても賑やかな作品に仕上がっています。
食育にも役立つ作品としてオススメします。