強風に向かって、がむしゃらに走るだちょうのフィート。
周囲の状況や、他の動物達の言葉かけなんてお構いなし。
負けるもんか!な顔つきが
こうと言ったら聞かない、頑固者の息子のようで、憎めません。
シンプルな物語ゆえに、絵の力強さがますます際立つように感じます。
見開きいっぱいに描かれたフィートの
だちょうならではの長い首、羽、足が
強風に負けじと踏ん張り、走ろうと伸ばされ、すごい迫力。
色鮮やかに描かれた動物達の毛並みや体勢で、
絵本の中に吹き荒れる強風の風圧が伝わってくるようです。
なぜフィートがそんなに走りたいのか、
最後に理由が分かるかな?と思ったら
(「ダダダダだちょう〜!」という絵本を思い出しました)
ただただ、走りたいだけだった、というのが
何だか逆に良かったです。
フィートが何度も言ってましたもんね。
「はしりたいんだ!」って!
裏表紙では、ついに走れたはずのフィートが
憮然とした表情で動けずにいるのも御愛嬌。
年齢を問わず、楽しく読めそうですが、
特に動物好きのお子さん、頑固者のお子さんに手を焼いているお父さん、お母さんにおすすめです。