働き者のごろべえのあお(馬の名前です。)が 河童に川へ引きずり込まれそうになります。
ごろべえは村の衆と一緒になって 寸でのところであおを助け
河童を捕まえ 縛り上げました。
逃がしてくれることと交換に じろべえは河童の宝の徳利をもらいます。
この徳利は 酒が尽きることなくどんどん出てくる 大酒のみにはたまらない不思議なものでした。
「でも 徳利の底を3回叩くと出なくなりますが そんな事は忘れてくだせい。」
と河童は言って帰っていきました。
そんな徳利をもらって じろべえさんは案の定仕事が手に付かなくなってしまいました。
でも…あおに促されて荒れ放題になった自分の田んぼを見渡し ハッと我に返りました。
そして 徳利の底を3回叩いて 元の働き者のしろべえさんに戻りました。
そんなじろべえさんを見て 最後に河童が「こんなはずじゃなかった。」
と言います。 ちょっとイタズラで皮肉屋の河童らしさが感じられます。
じろべえさんの大逆転一本勝ちといったところでしょうか。
民話ですから 昔の人々は このお話を語ることで
「川に近づくと危ないよ。」とか
「サボってばかりいると 仕事がたまってしまいますよ。」
なんて事を 子供たちにそれとなく教えることが出来たのでしょうか。
語りから絵本という風に形を変えていますが
いつの時代も子供達を守り 真っ直ぐに育てたいという親の気持ちは
変らないんだな…と感じました。