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鹿よ おれの兄弟よ自信を持っておすすめしたい みんなの声

鹿よ おれの兄弟よ 作:神沢 利子
絵:G・D・パヴリーシン
出版社:福音館書店
税込価格:\1,870
発行日:2004年
ISBN:9784834006322
評価スコア 4.15
評価ランキング 26,006
みんなの声 総数 12
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  • 大人になっても一生読み続けられる本

    • マジュレッドさん
    • 40代
    • ママ
    • 東京都
    • 男の子9歳、女の子7歳、女の子7歳

    7歳と9歳に読んだ。
    「子どもには難しいだろう」と敬遠していたが、自分のために借りたら子どもが手にとり、寝る前の読み聞かせに持ってきていた。
    最初はどこの地方だかまったくわからず。
    アイヌ、モンゴル、フィンランドのサーメ人などを連想しながら読んだ。
    あとでヒョウ?が出てきたので、ようやくロシアかと。
    人間の手技の限界に挑戦するような細密画で、自然の美しさと厳しさをあますところなく表現している。
    細密というのはときに遠近感に乏しくなる。
    この本もそういったきらいはあるが、画家の体温を写しとったかのような迫力の前に、読者として屈服する。
    文章は神田利子氏。
    オノマトペは直訳かもしれないが、じゅうぶん名文だ。
    「しかよ、おれの兄弟よ」が各所に入る。
    声に出して読んでいると、抑揚がつけやすい構成になっていることに気づく。
    これでは自然に読み手にも熱がこもってしまう。
    絵と文章が同じように沸騰していると、読み手の私も引きずられてしまう。
    子どもたちを置いてけぼりにしてはいないかと心配したが、子どもは子どもで、この舞台装置に圧倒され、眼を見開いて最後まで静かに聞き入っていた。
    子どものころにこの絵本に出会えるのは幸せだ。
    わが子に、一生の間に幾度となく開いてほしい絵本。

    投稿日:2020/02/21

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  • 壮大な抒情詩

    シベリアの大地の荘厳な営み。
    鹿の皮をまとい、鹿の肉を食い、自らが鹿を兄弟だと思う猟師の、大自然への畏敬と、自然との共存が、パヴリーシンの絵とともにみごとに描かれています。
    大自然の中での営みは、すべてが自然の摂理に従っているのです。
    鹿に親しみを持ち、愛を持っていながら、自らの生を得るために、人は鹿を殺し、皮をそぎ、肉を喰らいますが、鹿に対する敬虔を決して忘れることはありません。
    人は生きるために肉を食べるのですが、決して鹿を物としては見ていないし、感謝すらしているのです。
    川を上っていく猟師の心理描写、様々な動物が棲息する大自然の描写、様々なオノマトペ…。
    壮大な詩の朗読が自らの心にも響いてきました。
    パヴリーシンの細密画に描かれるシベリアの民俗の生活。
    子どもたちには少し難しいかもしれないですね。

    投稿日:2012/02/28

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  • 北の方の暮らしぶりがわかる作品

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子16歳、女の子11歳

    名台詞「しかよ おれの 兄弟よ」から物語が始まるのかと思いきや、
    “シベリアの森で…”でした。
    タイトルはずいぶん前から知っていましたが、
    表紙絵があまりにも荘厳で、どんな小難しい物語かと思い、
    今まで手にしたことがありませんでした。
    最近、アイヌの物語などに興味が出たので、有名な作品だしと思い切って図書館で探してきました。
    想像していた以上に素敵な絵本でした!

    神沢さんのお話では「ちびっこカム…」が好きですが、
    カムはまた違った北の大地での力強い生き方を見せてもらいました。

    今回はコラボ作品で、絵はロシアで“ハバロフスク市名誉市民”の称号の画家「G.D.パヴリーシン」さんが描いてくれています。
    これまた素晴らしく細かい、丁寧で荘厳なイラストでした。
    たった一晩の出来事ですが、物語はとても長く感じます。
    一言一言、1ページ1ページの描写に歴史を感じるせいかもしれません。
    絵本のサイズも文章の字も、一般的な絵本作品の物より、やや大きめで作られていますので、読み聞かせなどにもお薦めしたいです。
    どのページも見ごたえたっぷりで、余すところなく楽しめると思いますが、
    読み聞かせに使うなら、北の方の暮らしぶりが想像しやすい小学校高学年以上のお子さんたちがいいと思います。

    投稿日:2011/11/03

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  • 声に出して読みたい!

    • はしのさん
    • 40代
    • パパ
    • 神奈川県
    • 男の子12歳、女の子9歳

    シベリアの猟師と森に棲む鹿との対峙。自然への畏敬の念が力強い文章と絵から伝わってきます。テキストを目で追っているうちに、声を出して読みたくなります。この生命力あふれる絵本を多くの子どもたちに読んでもらいたい。

    投稿日:2007/02/24

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  • 力強い詩に心がゆさぶられる

    私は、こういうネイティブ物にとても弱いんですが、原住民の魂を詩にしたような力強く呪術的な詩に、とっぷりと参りました。作者が日本の方とは驚きです。すごい感性の方だなあと思って、どんなプロフィールか知りたくなりました。すると、北海道とサハリン(旧樺太)で幼少期を過ごされたということです。やはり、野生の魂を持っておられるのでしょうね。主人公の原住民が鹿狩りの中で、鹿に狙いをつけながら自分の幼少期や育ててくれた親、じいさまばあさまの時代にまで思いをはせるとき、読み手の心も飛翔するようです。

    投稿日:2006/09/18

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