最近、ひこ田中さんの「なりたて中学生」シリーズを読んだばかりだったので、気になって手にしました。
「ハルとカナ」は、しいていうなら「なりたて小学生」ですね。
その年頃ならではの、ちょっとした出来事を上手に見せてくれている楽しい作品でした。
全部で12章。1章だいたい20ページくらいで、1ページに収められているテキスト(文章)も少なく(行間も文字も大きい)、さらりと読める量です。
主人公の「ハルとカナ」は小学2年生。どちらも大変面白い個性を持っている子どもたちです。なので、わりとよくいる「誰かと同じがいい」子どもたちからは、ちょっと「変わってる」と思われがちかもしれません。
作者は彼らの立ち位置を上手に表現してくれているので、
読み手にはとても分かりやすく伝わってきます。
友達の「シュウマ」くんや「ユズ」ちゃん・「キララ」ちゃん」も忘れてはいけない大事な存在です。
世の中には「ハル」みたいな男の子や、「カナ」みたいな女の子は、少なからず何人かいるはずです。
最初は家族のおはなしかと思ったのですが、この作品は淡い初恋のおはなしでした。
お互いはじめて意識した“異性”。それに気づいた時の、子どもらしい戸惑い方が見ていてかわいかったです。
この作品は「ヨシタケシンスケ」さんが挿絵を担当しています。
それがものすごくいおはなしのイメージに合っていて、とてもよかったです。
大人が読んでも楽しい児童書です。
ぜひぜひいろいろな人に読んでもらいたいので、今度どこかでブックトークに使ってみようかな?と考えています。
お薦めするとしたら、現役の小学校1,2年生でゃなくて、それよりちょっとお兄さんお姉さんになった3年生以上の子どもたち。
“ぼく”も“わたし”もこんなときあったな〜。って、思わせてくれる初々しい作品です。