大阪の南東部に藤井寺市があります。
ここにはかつて近鉄バッファローズの本拠地藤井寺球場があったことは知っていましたが、何しろ小さな街で、市としては大阪で一番小さい。
日本全国でも5番目に小さいぐらい。
その小さい(きっと藤井寺の人は小さい小さい云うな、アホ! ぐらいはいうだろうな)街に、大きい絵本作家が暮らしている。
その名は、長谷川義史。
もしかしたら、今日本で一番人気のある絵本作家かもしれない。
その長谷川さんがお友達の寿太郎さんを相手に、小さい頃のアホな話やお母さんとのしみじみ話や絵本についての真面目な思いを、しゃべくりまくったのが、この本です。
まず書いておくと、大阪の人のDNAには吉本新喜劇とか松竹新喜劇といった笑いの毒素? が必ず入っているもので、つっこまれたらボケないといけないスイッチが作動するものなのです。
長谷川さんの絵本にはその毒素がふんだんにはいっていますから、それを苦手にする関東の人も知っています。
大阪出身の私としては、納得がいかないのですが。
長谷川さんには単に笑いだけでなく、時にしみじみとさせるところもあって、そのあたりも長谷川さん自身藤山寛美に代表される人情劇松竹新喜劇に影響されたと告白しています。
長谷川さんは小さい頃にお父さんを亡くされていて、その関係で名前を「義雄」に変えられそうになった話なんか、もうメチャクチャおもろい。
そのあとで、お父さんの幽霊と出会ったり、ホロリともさせるのですが。
まるごと一冊、長谷川義史ワールド全開です。