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2件見つかりました
国語の問題の教材として使用されていたので、読んでみました。 冒頭、不登校の中学生の図書館通いから始まり、どんな風に話が進んでいくのか本当に読めませんでした。 ふとしたきっかけで話すようになった図書館のスタッフさんとの少ない会話の中から、表題となる『しずかな魔女』の作中話へと発展していきます。 その部分は小学生の女の子二人の一夏が描かれており、キラキラ光る明るい女の子と静かだけど心優しい女の子の交流が、とても可愛らしくて楽しそうで、ぐいぐい引き込まれていきました。 そんなお話の中にも影が差している部分もあり、メリハリがあってとても良かったです。 だからこそ、冒頭と終盤にある不登校の中学生の、もどかしいほどに悩ましい気持ちが浮かび上がってきているように感じられました。 そんな中学生の女の子も、『しずかな魔女』に倣って両親へと手紙を書く・・・というくだりには、一筋の光を感じました。 ただ暗いだけで終わらず、何処かへと続きそうな希望が感じられたラストだったのは、良い読後感になりました。
投稿日:2021/07/30
とても静かなお話です。 学校にいけない草子(そうこ)は図書館通いをしていて でも、それを見た大人が不用意に言う「学校どうしたの?」にいつもおびえていて・・・。 そんな草子を見守っている司書の深津さんの一言が 「しずかな子は魔女に向いてる」 そんな一言から物語が動き出します。 この本は、 現実の草子パートと 『しずかな魔女』という、草子に手渡される本という形の物語パートの 二重構造になっていて それぞれが共鳴しあって、一つの作品として成立しています。 キーとなる登場人物のおばあちゃんが言う 「よく見ること、角度や距離を変えて、よく見ること。そして考えること」という言葉が 物語が進むにつれて、じわじわと染みてきます。 魔女の使う魔法は、奇想天外でファンタジーな非現実だけでなく 日常のどこにもあふれていて 人の心に何かをともすことができたら(たとえそれがおいしいお茶でも) それは「魔法」なんじゃないか。 たとえおとなしく口下手でも、書くこと(手紙や物語など)で 魔法も起こせるんじゃないのか。 それならば人は誰でもお魔法使いだな(#^.^#) 心の深いところをそっと温めてくれるような、しずかな一冊です。
投稿日:2020/10/19
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