すずき出版の“おはなしえほん”シリーズの一冊です。
このお話は、たくさん絵本や紙芝居になっていますが、高見八重子先生の絵が魅力的で、手に取りました。
「おじいさんの命日なのに、お経のひとつも知らないで・・・。」と申し訳なさそうなおばあさん。
そこへ道に迷ったお坊さんが現れて、おばさんはお経をあげてもらおうと・・・。
本当の事を言い出せず、仏壇の前で思案顔の偽坊主。
すると、天井裏からでも降りてきたのか壁の穴から顔を出すねずみが一匹。
ねずみの動きに合わせて適当なお経もどきを唱える偽坊主。
おばあさんは、大喜びでお坊さんをもてなし泊めてやります。
おばあさんの差し迫ったお経への思いなのか、見事にあの偽坊主のお経もどきを諳んじられるようになっているページで大笑い。
さて ある ばん 一人の泥棒が おばあさんの家に忍び込み・・・。
熱心な信仰心はおばあさんの身を守ってくれました。
柔らかく優しい上品な色使いの絵が、偽坊主や泥棒の悪さを押さえ気味に、お話の楽しさを引き立っててくれています。
他の作品を読まれていない方は、この作品から読むことをお薦めします。