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相手も同じ人間なんだと本当に理解できたら、兵士にとって戦争なんて虚しいものではないだろうか。 そんなことをしみじみと考えさせられる絵本です。 でも、一人で考える時間があったから、兵隊さんはたどり着いたのです。 教え込まれたことを信じるうちは、敵はオオカミなのです。 こっちが殺らなきゃ殺られてしまう…。 戦争は恐怖との闘いでもあります。 一人でなかったら、考える時間が持てる前に行動しなければなりません。 個人より組織。 戦争の愚かさも、本質を知ることの大切さもこの本は語っています。 絵も渋いですが、松尾スズキさんの訳も味があると思います。
投稿日:2015/03/12
朝日新聞夕刊「かーかん、はあい」で、歌人の俵万智さんが就学前の息子さんと読んでいる本として 紹介されており、読んでみました。 絵本というよりは読み物に近いかもしれませんし、 内容的にはかなり高度でしょうか。 ちなみに借りた図書館では一般書の分類番号726:絵画(童画)です。 砂漠にある二つの穴。 ボクのモノローグで状況がわかります。 こちらの穴にいるボクは、あちらの穴(=敵)の様子を伺っているというのです。 戦争状態。 確かに毎朝撃ち合いがあります。 でも、それだけ。 戦争開始時に銃と共に手渡された「戦争のしおり」を読み返し、 あれこれ思い巡らすボク。 そしてラストへ・・・。 この本で感想を言い合う俵万智さん親子もすごいなあ、と思います。 でもそれだけ、案外子どもにはストン、と理解できる展開なのかもしれませんね。 確かに戦争の愚かさが、残酷な描写無しでも伝わってきます。 平和学習にもいいかもしれません。
投稿日:2009/04/12
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