いじわるな魔術師の留守の間に、なまけものの弟子がにわか覚えの魔術でトンだドタバタに…。
表紙の絵、表紙裏の迷路のような不思議絵、標題紙、とウンゲラーの気迫こもった絵が話をどんどん盛り上げていきます。
この本、本筋に入る前が意味ありげに長い(弟子が登場するまでに前づけページを含め9ページ)。
絵といい、内容といい見る者の期待感を膨らませてくれます。
魔術師の部屋の細部にあれこれと気になる絵が配されていて、嫁さんも息子もストーリーより絵が気になる始末。
で、なまけものだけど憎めない弟子が、魔術師の出かけた後に魔術の本の鍵を見つけて、自分の仕事をほうきにやらせるという魔法を試してみた。
弟子のかけた魔術に忠実なほうきだったけど、命令を解く呪文がわからない。
弟子にはどうすることもできず、部屋が水浸し。
そこに魔術師が帰ってきて…。
ここまで、引っ張っておいて最後のページで拍子抜けしてしまいました。
見る者の期待をみごとに肩透かし。
少なくともウンゲラーのファンにはたまらない絵本であることは間違いありません。