稀勢の里が第72代横綱になって、日本中が湧き立っています。
なんといっても、19年ぶりの日本出身の横綱の誕生ですから、皆さんヒートアップするのもわからないでもない。
若い人などは横綱に日本人がいたことも知らないかもしれない。
まさに稀勢の里さまさま、「満員御礼」です。
こうしてみると、色々な中傷や叱責はあるものの、日本人というのは相撲が好きなんだと思います。
何しろ国技である。
だったら、強いヒーローが出てきても不思議はないと作者の中川ひろたかさんは考えたかどうか知らないが、この絵本の主人公は強いヒーロー「スモウマン」なのだ。
どこかで助けを呼ぶ声あれば、稽古中であってもむかいます。
土俵まわしをマントにようにして(これっていいのかな)、空だって飛んでしまいます。
現われた途端に塩をまく、なんてちょっと卑怯っぽくもありますが、つっぱり、うちがけ、最後は上手投げ、と技が多彩なのはさすがです。
お腹のすいている女の子を相撲部屋まで連れて帰って、ちゃんこまでごちそうするのですから、さすがは日本のヒーロー。
なんといっても、長谷川義史さんの絵がすばらしい。
背景に描かれた小道具にも注目です。
この絵本、2002年に出版されてそのあとも着実に重刷されています。
やっぱり日本人は小さい時から相撲が好きになるように刷り込みされるのかな。
でも、さすがに国技館で「スモウマーン」なんていう声援は聞いたことがありません。