はじめてのクリスマス(偕成社)
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5件見つかりました
このお話は知りませんでした。 宮沢賢治という人は、つくづくいろいろな引き出しを持っているすっかさんだったのだな〜と、感じます。 このはじまり方で、ラストがこう来るとは思っていませんでした。 「神」も迷ったり戸惑ったり、道を誤ったりするんだよ。と、宮沢賢治自身が言っているようでした。 むしろ一見、ずる賢そうに見せていたけれど、“樺の木”にいいところを見せたいだけだったきつねの方がよほど優しい子でしたよ〜。もう、びっくり! 最近、ミキハウスさんが出版している「宮沢賢治の本」シリーズはどれも見ごたえがあって、 素敵な画家さんたちが、素晴らしいイマジネーションを駆使して、 それぞれの宮沢賢治の世界を見せてくれているな〜。 と、感動しています。絵本になったおかげで、読みはぐっていた宮澤作品に改めて触れることもできてうれしいです。。 子どもたちにも紹介しやすいので、楽しいです。 この話だと、少々難しいので小学校高学年以上のお子さんたちにお薦めします。
投稿日:2011/11/03
これは…悲劇です。 土神とは文字通り、土の神でしょうか? 土と木は、一心同体。 だったら土神が樺の木を愛したのは、自然なこと… そして土神と同じように樺の木を愛したのは、きつねでした。 ふたりは、見た目も性格も正反対です。 共通点があるとすれば、孤独…でしょうか まるで、光と闇。 土神は神だけど、いつも闇の中にいるように感じました。 土神には誰かを愛する純粋な心があるのに、その気持ちがなにかもわからず、苦しんで苦しんでもがいて傷ついて、心を無理に消そうと葛藤するのです。 切なくてもどかしくて寂しくて、もうどうにかなりそうで…土神は泣いて泣いて泣きました。 そんな土神を見て、胸が締め付けらる思いでした。 神様にもちゃんと心があるのです。感情があるのです。 土神を苦しめているのは、神様のプライドなんだと思います。 そしてきつねが自分よりもえらいのだと、またプライドが傷ついて…。 神様の気持ちや立場なんて、きっと誰にもわかりません。 でも土神は神でありながら、自分が本当は何者なのかわからなかったのです。 きつねも、とてもいい子でした。 樺の木の気を引こうと、たくさん本を読んだのではないでしょうか… おしゃれをして、樺の木を喜ばせようと一生懸命だったのだと思います。 土神は正直者だったけど、素直ではなかった きつねは正直者ではなかったけど、素直だった …そしてとうとう心が壊れた神が、罪なき命を奪ったのです。 あまりにも、衝撃的な結末でした。
投稿日:2014/07/01
美しい日本語の文学を読むと、心がすうっとしますよね。この絵本の中で一番気になったのは「土神は何故にそこまで嫉妬深くなれるのか」という事。しまいにゃ狐を殺してしまいます。間に挟まれた樺の木だって気が気じゃないですよね。
投稿日:2014/12/11
樺の木にやってくるきつねと土神でしたが、それぞれの思いが、妙に絡まって、すっきりしないお話の展開で、読み終わった後の心のもやもやがしばらくおさまりませんでした。 神という立場でありながら、気持ちの表し方がストレートであったり、化かすことが得意な狐がなんだか不器用だったりして、宮沢賢治の世界のまた新しい一面を味わったような気がしました。
投稿日:2014/10/28
最近、宮沢賢治の作品を読みあさっています。 この作品のことは知らず、初めて読む作品でしたが、とても 衝撃的な内容に、びっくりしてしまいました。 土神ときつねは、樺の木が大好きだったんですね。 文章からその気持ちが伝わってくるだけに、最後はとても 悲しい結末になっています。 この作品の中に出てくる神は、完璧な存在ではありません。 悩み、苦しみ、嫉み、人間と同じように気持ちが揺れ、 そして理性を失い、誤った行いをしてしまいます。 その後の様子が描かれていないので、読み終えた後の余韻が 半端ないです。そして、深く考えさせられるのです。 宮沢賢治がこの作品で表現したかったことって一体なんだったのでしょうか。 土神の心の葛藤が文章でとても繊細に表現されていて、それだけでも かなり読み応えがあり、宮沢賢治の表現力に脱帽といった感じでした。 インパクトのある、素晴らしい作品だと思います。
投稿日:2012/06/05
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