子どもが小さな島に座っています。
世の中の不条理、大人の作った罪悪に目を向けています。
そして、「いつか、きっと」自分の手で変えて見せようと訴えます。
最後に子どもは、この町に生まれてこようというのです。
人には見えない存在である子どもは、これから生まれてくる未来の子でしょうか。
とてもメッセージ性の強い作品です。
しかし、この絵本は未来の子どもが世の中を変えてくれると言っているのではありません。
大人である作者が、子どもの視点を借りて自問自答しているのです。
自らが障害児の教師であった著者のティエリ・ルナンが書いたのは、子どもたちのために大人は何を考えなければいけないかということです。
オリヴィエ・タレックの絵も、メッセージを意識した描き方をしていると思います。