10本の真っ赤なバラと10人の子どもたち。バラと子どもって、すてきな取り合わせと思っていたら、まさに期待を裏切らないあたたかで意味深い絵本でした。数の絵本でもあるので、もちろん1から10までの数の確認ができます。でも、この1本1本、ひとりひとり……という概念が同時に心の深さをも示すと思うので、実は単なる「数」というわけでもないのでは、とも感じました。
それと、赤いバラって人をひきつけますね。各ページ鮮やかに描かれたバラの花はとても印象的です。子どもたちの幸せそうな顔もすごくいいです。(笑顔って、子どもにとってはとても大切ですよね。わたしが真剣な顔つきをしていると「ママ、笑って!」と娘はいつもリクエスト。他人が笑顔でないと、それがいやみたいで、「笑ってない……」としょげています。)
たまたまクラスに双子の兄弟くんがいることや、やっと慣れ始めた学校の風景がそのまま描かれていることなど、まさに娘にはぴったりのタイミングで、いろんな刺激がもらえた作品になりました。最後のページがとてもすてきですよ!
そうそう、お絵かきの好きな彼女は表紙を見て、まずバラの描かれ方に興味を抱き、自分の描き方と比較していました。(偶然にも、バラの花束の絵を担任の先生に贈ったばかりだったのです!)そして、さすがは数の絵本。バラを描くときに、今度は葉っぱの数を一枚ずつ増やして描くなど、しっかり「数」を意識していました。