2012年度青少年読書感想文全国コンクール小学校高学年の部課題図書。
アフリカの9歳の少女シサンダが主人公。
シサンダは生まれつき心臓が悪く、毎日、「今日は心臓が動き始めて3417日目」と
数えているのです。
母のマスワラは、そんなシサンダを見かねて、カンジュニのフルマラソンに出場することを
決意します。
新聞記事で、優勝賞金のことを知ったからです。
毎日走るようになったマスワラを気遣いつつ、
シサンダは思うように動かない心臓と対峙する日々。
貧困ゆえ、エントリー費用もままならず、練習中にサソリに刺されて走れなくなるなるなど、
マスワラの前途にはいくつもの困難が待ち構えています。
シサンダも、何度も発作を起こしながらも、周りの人々の助けをかりながら
マスワラを応援するのです。
実話のエピソードを基に書かれた作品で、こうやって懸命に生きる親子が
世界にはたくさんいることを教えてくれますね。
大病と対峙するシサンダの姿も胸を打ちます。
同じような境遇の恵まれない親子に幸せを、と祈りました。