【内容】
雪解けの季節、川をのぞくとハナカジカのおじさんが、子育ての準備をしている。カジカの子育て、サケやトゲウオ、ウグイにヨシノボリ、カラフトマス。川に住む魚たちの生き生きとした暮らしをカジカのおじさんが教えてくれる。
写真で綴る、魚たちの奮闘記。
【感想】
奇跡としか思えない、絶妙のタイミングで撮影した写真の数々に驚きました。
寒い川で何時間もねばって、何枚も写真を撮り続けている作者の様子を想像したら、本当に贅沢な読書だと思えてきました。
カジカのオジサンの語りが、落語の世界みたいで、面白く読み進められます。自然は遠いものではなく、身近なところにあるものだというメッセージが伝わってくるようです。
自分が子どもの頃は、身近な川は全て護岸工事がしてあり、生き物は全然いませんでした。ダムを作ったり、護岸工事をすると、生き物は住めなくなると知ったのは大人になってからです。川には魚なんかいない、というのが、田舎に住んでいた時の感覚です。魚は店で買ってくるもので、生きている魚は池の鯉くらいしか知りませんでした。
この本を見て、まだまだ地球上に豊かな自然が残されていると知り、感動しました。生き物を友達のように扱って、友達が幸せに生きられるように、どうにかならないかと思います。是非とも、自然環境をなおしてください!
さておき、生き物の写真は面白い。宇宙人とか、SFみたいな形。生き物の成長は、不思議なことがいっぱい。10gが3000g〜4000gに成長するって、…人間だったらどんな感じか想像してみたりして。
スゴイ写真物語です。どなたでも楽しめる一冊です。