2006年刊行。南米チリの地形、自然、人々の暮らし、チリに住む日本人の学校生活、宗教、産業、歴史などを紹介する写真絵本。
2015年に東京・岩波ホールにて上映された映画「光のノスタルジア」(2010年制作)「真珠のボタン」(2015年)(ともにパトリシオ・グスマン監督)を見て、チリという国の自然や歴史などに簡単に触れることができた。印象的な映画ではあったが、それ以上詳しく調べたりすることもなかった。
今回、この本を読んで、数年前に見た映画の時代背景などがようやくわかった。巻末にチリの歴史がまとめられているが、そこでピノチェト政権下で独裁政治があり、社会主義者など、当時の政権にとって都合の悪い人たちを強制収容所に送っていたこと、多くの人が「行方不明」になったことなどが分かった。本の記載は、あらましが書かれているだけなので、インターネットでも調べてみて、ようやく映画の映像とその意味がひとつながりになった。
日本からは飛行機を乗り継いで20時間くらいかかる。
南米でも特にスペインの影響が大きいこと。南北に細長いため、北部と南部では全く気候が違うこと。
何よりも家族を大事にして、仲が良いことなどが印象的だった。
(だから映画のなかでも、「行方不明」になった家族を長年探し続けている人たちが登場したのだった)
明るく陽気な国民性が感じられる写真が多く、滅多にいけない場所に住む人たちに共通点を感じられ、よい読書経験になった。