『長ぐつをはいたねこ』は様々な絵本があって、ついつい読み比べてしまいました。
同じ人が訳しても、全く異質な『長ぐつをはいたねこ』もありました。
このハンス・フィッシャーの作品は矢川澄子さんの訳ですが、スベン・オットーの作品の訳とは全く違って楽しめる作品。
フィッシャーさんは原作にない注釈を加え、主人公のネコがとても詳細に描かれています。
ネコが長ぐつを履くまでの練習風景や、魔法使いの大男に立ち向かう前の準備、語りについてもネコにスポットをあてた内容構成がユーモアたっぷりです。
絵が線画であることもイメージを膨らませるのに、とても効果的だと思いました。
ネコの主人がおまけのように見えるのはしょうがないですね。
矢川さんの文章のノビノビ感もとても楽しく読みました。