「ケチルさんのぼうけん」 みんなの声

やはりたかどのほうこさんの作品はいいですね。
けちのケチルさん、１００倍の木のことを知ったから、さあ大変。
さあ、危険を冒しても一世一代の勝負に出たケチルさんの運命は・・・。
見事に山賊からの危険を回避したのに、あと一歩で作戦失敗。
ケチルさん人形が１００人は圧巻です。
読み聞かせ会のあと本を貸してあげた１、２年生の子ども達が
一生懸命数を数え始めたのがほほえましかったです。
「まあちゃん」シリーズでもそうなのですが、
お話の中で「本」の存在感がいいですね。
ブックトークで本の面白さを語る時にもってこいで、よく使わせてもらっています。

まあちゃんシリーズと、つんつくせんせいシリーズで、たかどのほうこさんのファンになりました。

この本は、図書館で、何度も目にしていたのですが、なんか、たかどのさんの絵っぽくなくて、ついつい食わず（じゃなかった）読まず嫌いしてしまっていました（汗）。

でも、読んでみたら・・・やっぱり！たかどのさん♪
って感じのストーリーで、絵も慣れてくれば、なかなかいい味出してました〜（笑）。

タイトルを見てすぐに、きっとケチなケチルさんの話なんだろうな、と想像できましたが・・・まさか、こんなに楽しいお話だとは？！
ラストが、何だかす〜っとします。

びんの中はからっぽろぱらあ〜！になっても、これからの人生、きっとお金では買えない素敵なものでいっぱいになるでしょう♪
だから、ケチルさんにかんぱ〜い♪

「ケチルさんはけちでした。」（冒頭より）
このケチルさんが、ある日拾った一冊の古い本に書かれていた、
“根っこのところに物を埋めるとたちまち百倍になって枝から出てくる”
すごい木があることを知ります。これでお金を増やそうと企むのです。
しかし、その木に向かう途中には、99人の山賊が待ち受けている山賊峠が。
三日三晩悩みに悩んだケチルさんは、いいアイディアを思いつきます。

ケチルさんが作った大きな箱の正体がわかった時、
そして、木に百の人形がなった場面など、笑いのツボ満載です。
「からっぽろぱらあ〜！」の歌も楽しいです。
最後、山賊と一緒に「からっぽろぱらあ〜！」と歌って終わるのかと思いきや、
無事に家に帰ったケチルさんが、幸せそうな顔でベッドにいる姿まで描かれていて、
なんだかホッとしました。

見開き2ページに4場面というところがあり（文もあちこちに配置されている）、
大勢への読み聞かせには少々難しいかな、と思いますが、
少人数への読み聞かせ、または家で子どもに読むのには問題ありません。

作者の油絵風の絵本は見たことがなかったと思い、借りました。
古本を見つけた街角の絵なんか、とても素敵でした。
ストーリーも、たかどのワールド全開でおもしろく、
読後のほんわかした幸福感にホッとします。
無一文になったけど、お金以上のものを味わったケチルさん。
「これまで　いちども　あじわったことのない　はれやかなきもち」っていうのは、
きっと子どもたちも想像できるのではないかなと思いました。

平成１１年度、読書感想画の課題図書です。
課題図書・・固いかな・・でもタイトルは面白そう・・
そんな複雑な気持ちで借りたんですが、
すごく面白かったです。
名前の通りケチでよくばりのケチルさんは金貨を１００倍にしてくれる場所があると知り、冒険にでます。
結局その場所でとんでもないアクシデントがあり、
お金を失ってしまうんですが、ケチルさんは、面白おじさんになってしまったみたい。それはそれでハッピーエンド？と思える楽しい絵本でした。