「あかり」 みんなの声

一人の女性とともに生きたろうそくのお話です。大きなのっぽの古時計を思い出しました。
女性が生まれた日に買われたろうそく、女性のうれしいときや悲しいとき、大事な時などを照らし続けます。そして力を与え続けます。ラストの一ページが印象的でした。
この本を読んで、今までの人生とこれからの人生をぼんやりと思いました。娘にはこの絵本に出てくるようなろうそくはないけれど、わたしが娘を照らすことが出来たらと思いました。この本はもう少ししたら娘に読んであげたいです。

このお話は、一人の女の子が生まれてからおばあさんになる間で、色々なイベントの折に一緒に時を過ごして女の子の心をろうそくの明かりで温かくした一本のろうそくのお話でした。ろうそくの温かさががこっちまで伝わってくるような気がしてとっても素敵な絵本でした。

ろうそくのあかりも人の人生と同じですね。
この絵本はロウソクが照らしてくれた人の一生をとてもよく表現していて、その上、最後の最後まで人に明るい光を照らしてくれて、心を穏やかにしてくれていました。ほんの小さな明かりでも、人の心を救ってくれます。とても静かなお話ですが、とてもじんわりと心にしみる素敵な１冊だと思います。

私達、読み手ひとりひとりの心にも、そっと火をともしてくれるような尊い読後感を与えてくれます。
優しく静かで穏やかで温かな「あかり」は、人の一生のよう。
育ててくれた両親やまたは、自分自身のことと重ね合わせてじんわり深く心に残りました。

こんなに心に響く本は、すごいと思います。
１本のロウソクが、家族の灯りをともし、家族とともにいつまでも一緒にいてくれる。どれだけこのロウソクが大切に使われていたか、それを考えてみても素晴らしいことだと思います。
物を大切にする気持ち、そして家族の思いを大切にする気持ち。
どちらもこの本の中に、その思いが詰まっていて、とても心に響きました。素晴らしい本だと思うので、多くの人に読んでもらいたい、そして大切にしてもらいたい１冊だと思います。

生まれてくる我が子には絶対に幸せに育ってほしい。
そのために、親たちは日々惜しみなく与え、祈り、守り抜く。
やがて子供たちが歩みを覚え、少しずつ離れていっても
目には見えない「ぬくもり」という贈り物は、
きっとその子の内側から支え続ける。
長い人生のなかで、寂しい思い、悲しさ、苦しさ、辛さを
抱かないことはありえない。
けれど、肉親が最初に贈った小さなあかりがあるかぎり、
きっと人生の瀬戸際で優しく、強く、その子を支えてくれることでしょう。
今は、何もわからなくていい。
けれど、自分はすばらしい贈り物を持って生まれてきたこと、
自分自身も誰かにとっての大切なぬくもりであることは、
ぼんやりとでも感じていれくれたら良いな、と思いながら
今日もまた一緒に絵本をめくるのです。

表紙を見たときはそれほど期待していませんでした。

でも読み始めてみると、このろうそくはお母さんが作ってくれたもので、女の子が生まれた日に初めて火を灯したのだという。今は明かりなんてあって当たり前ですが、ちょっと昔まではとても貴重なものだったのですよね。そして、電灯と違って、温かいものでもありますね。身近にないから気づきませんでした。ああ、そうだった、と思い出すように読み進めました。

人生に寄り添って明かりを灯し続けたというストーリーはありがちな気もしますが、その中で親が子を思う気持ちがうまく描かれていて、心に残りました。小さな子にはちょっと難しいかもしれません。大人向けの絵本ですね。

ろうそくの温かな様子が印象的な表紙の本です。

ろうそくと一人の女性の人生が重なるようなストーリーになっていて
ふんわりしたあかりのイメージだけではない
重々しさも感じます。

結構なボリュームのある文章量なので
高学年以降に進めてみたい本です。

　『ぬいぐるみおとまりかい』を描いた岡田千晶さんの作品を探していて、この絵本に辿りつきました。
　人物や風景の精緻でありながらやさしさを感じる描写と、懐かしく落ち着いた色合いの絵に、どれほど心がやすらぐことでしょう。一本のろうそくに生涯見守られた女の子と、成長する女の子と一緒にいられる幸せや、自身の存在を時に「もしかして力不足では？」ともどかしく思うろうそくの心模様がないまぜになって、お話には深い愛情とせつなさがいっぱいにひろがっています。
　女の子が少し大きくなると、ろうそくはその心を静かに受け止め、和らげ、寄り添うようになります。やがて女の子に新しい家族ができて、大切な場面であかりを灯しますが、いつしか棚の奥にしまわれて長い年月を一人で過ごすようになります。再び火がつけられた時、ろうそくはおばあさんになった女の子の顔を照らしていました。女の子にとって自分がかけがえのないものだったと知らされ、ろうそくは嬉しさと共に最後の光を放って消えていきます。
　人はみな心の中に小さなあかりをもっていると思います。誰かに灯してもらったあかりかもしれないし、いつしか自分の中で自然に育まれたあかりかもしれません。このお話のろうそくは、女の子の心そのものだったのではないかと感じています。生まれた時からずっとそばにいたろうそく、喜びも悲しみもろうそくと共にありました。人は一人では生きていけないけれども、一人で乗り越えなければならない時もあります。そんな時、心にこのような強く、やさしい一本のろうそくがあったなら、すてきだなと思いました。
　小学校中学年頃から、大人でも楽しめる絵本です。

たいせつなときを照らすために贈られた一本のろうそく。
少女の成長と共に、その光は彼女ををときに慰め、ときに励ますものになります。小さな光が、心力強い支えになります。

この「あかり」のような存在を、自分の子どもたちも見つけてほしい。
一緒に成長し、見守られ、そしてその時間を思い返させてくれる素敵なものを。この本を読んでそう願いました。

そして。
もし自分が「あかり」をつけるとしたら、どんな夜を選ぶのだろう。
これから幾度も考えることになりそうです。

現在４歳と１歳になる我が子。もう少し大きくなったら、ぜひ一緒に読みたい一冊です。